職組情報

2019職組情報No.26【山形大学不当労働行為救済命令取消請求事件の判決について
2020.6.11

   

 

◆◆◆ 山形大学不当労働行為救済命令取消請求事件の判決について ◆◆◆
山形県労働委員会が控訴、山形大学職員組合は補助参加

 

 

後段に「山形地裁の判決文からの抜粋」および
今回取消になった「労働委員会の命令書第1項」を記載します。

 

 

 

 組合員の皆様へ

 

                   執行委員長:芦谷竜矢

 

 5月26日(火)に山形地裁で判決が出された平成31年(行ウ)第2号山形大学不当労働行為救済命令取消請求事件について,山形県労働委員会(以下、県労委)は,6月8日(月)に仙台高等裁判所にその判決取り消しを求めて控訴しました。本職組情報(6月2日付)により連絡の通り,この判決は本学だけの問題ではなく,労使関係の根本に関わる大問題です。そのため県労委の控訴に先立ち,本組合は県労委に対し控訴の要請を行いました。また,県内外の諸団体にも連絡をしたところ,多くの賛同を得ることができ,各団体より県労委に控訴の要請等を行っていただきました。全大教,全大教東北地区協,山形県労連,山形県医労連,山形県平和センターなど,大学のみならず県内の労働団体にも本職組の主張に賛同いただき、大学単組でも東北大と岩手大の職組から個別に御協力いただきました。

 以上のように山形地裁の判決を多くの団体が不当なものと認めております。これは対外的にみても,本裁判の根幹たる「本学における労使関係が適正なものではない」ことの証左でもあります。山形大学は地裁判決を受けて「主張を認めてもらったので,特にコメントすることはない。今後も適正な労使関係を維持し向上させていきたい」とコメントしました。しかし、判決理由では「現時点に至っての再度の交渉は不可能である」ことが示されたのみで、大学当局側が不当労働行為を行ったかどうかは判断されておらず,このような不当な判決に基づいて適正な労使関係が築けるはずはありません。

 したがって,組合員の権利を守ることはもちろんの事,本学が適正に運営されるためにも,我々山形大学教職員組合は県労委の控訴を支持し,補助参加人として引き続き支援する予定です。

 組合員各位におかれては上記を勘案の上,今後とも行動を共にされるよう切にお願い申し上げます。

 

 

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<参考1> 山形地裁判決(2020年5月26日)から抜粋

 

主文

1 山形県労働委員会が山形労委平成27年(不)第1号山形大学不当労働行為救済申立事件について,平成31年1月15日付けで」発した命令のうち,主文第1項を取り消す。

 

第3    当裁判所の判断         

   争点(1) (本件救済命令の内容の適法性)について

  (1) 本件においては,前提事実(2)および(3)のとおり,既に本件各交渉事項に係る団体交渉は終了しており,本件各交渉事項に係る規定の改正は,いずれも施行されている。このような状況のもとで,補助参加人は,団体交渉の過程における原告の態度が不誠実であるとして救済を求めているところ,仮に,原告の態度が不当労働行為に当たるとすれば将来の労使関係秩序の回復を図るため,本件各交渉事項に係る団体交渉における原告の交渉態度が不当労働行為に当たることを確認する必要性は,これを認めることができる。

   しかしながら,団体交渉とは,労働者の待遇又は労使関係上のルールについて合意を達成することを主たる目的として交渉を行うことであるにもかかわらず,上記のとおり,本件各交渉事項に係る規定の改正はいずれも既に施行されており,これについて改めて合意を達成するなどということはあり得ないから,本件各交渉事項について団体交渉に応ずるよう原告に命ずることは,原告に不可能を強いるものというほかない。そうすると,処分行政庁による本件救済命令は,その命令の内容において,処分行政庁の裁量権の範囲を超えるものといえる。

   補助参加人が,本件救済命令の発出後に再度の団体交渉を申し入れていることは,上記結論に影響しない。

(2) したがって,本件救済命令は違法であって取り消しを免れない。

 

2 よって,原告の請求は理由があるから,本件救済命令の主文第1項を取り消すこととし,主文の通り判決する。

 

 山形地裁判決(全文)

 

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<参考2> 労働委員会命令の主文第1項内容

 

 被申立人は,申立人との間の下記に係る団体交渉について,どの程度昇給を抑制しどの程度賃金を引き下げる必要があるのかに関する適切な財務情報や将来予測貸料を提示するなどして,自らの主張に固執することなく,誠実に応じなければならない。

 

 山形県労働委員会命令書(全文)


 

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<報道に関する組合の質問と回答>

2020528

国立大学法人山形大学長

玉手 英利 様

山形大学職員組合執行委員長

芦谷 竜矢

山形県労働委員会による山形大学の不当労働行為認定・改善命令に対する取り消し訴訟の判決に対する山形大学の報道コメントについて

 

貴職におかれましては、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、2020526日、山形地方裁判所は「山形県労働委員会による山形大学の不当労働行為認定・改善命令に対する取り消し訴訟」の判決を言い渡しました。この件はいくつかの報道機関が報じていますが、NHK報道

(https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20200526/6020006963.html)によると、山形大学は「主張を認めてもらったので、特にコメントすることはない。今後も適正な労使関係を維持し向上させていきたい」とコメントしたと報じています。つきましては、このコメントの真意について、以下に質問させていただきます。

なお、202052912:00までに山形大学職員組合執行委員長 芦谷竜矢までご回答いただきますよう、お願い申し上げます。

質問

「山形大学が本件裁判にて求めていたものというのは、裁判所が言い渡した判決内容そのものであり、それ以上でもそれ以下でもない」と理解してよろしいか?

以上

 

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令和2年5月29日

 

山形大学職員組合執行委員長     

    殿

                              国立大学法人山形大学長

 

山形県労働委員会による山形大学の不当労働行為認定・改善命令に対する

取り消し訴訟の判決に対する山形大学の報道コメントについて(回答)

 

令和2年5月28日付けで質問のありました標記のことについて、下記のとおり回答します。

 

 

【回答】 山形大学がこの裁判で求めていたのは、山形県労働委員会が平成31年1月15日で発した命令のうち、主文第1項の取り消しであり、このたびの判決はこの請求を認めていただいたものです。






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