職組情報

2016職組情報No.17【不当労働行為の救済申立に関する第3回目の和解手続の報告】
2016.12.13

 

 ◆◆◆ 不当労働行為の救済申立に関する第3回目の和解手続の報告 ◆◆◆


 第3回和解手続は、非公開で12月7日(水)午後1時30分から、山形県庁第14階会議室で開催された。

 冒頭の県労委の山上委員長の挨拶と提出資料の確認、出席者の自己紹介の後、被申立人(大学側)の退席後に、県労委の委員と申立人(組合側)との間の第1回目の意見聴取、大学側からの第1回目の意見聴取、組合側からの第2回目の意見聴取、大学側からの第2回目の意見聴取、組合側からの第3回目の意見聴取、大学側からの第3回目の意見聴取を経て、双方が同席する中で次回期日と、次回までに県労委と組合側、大学側が行うべき事項を取り決めて、予定どおり午後4時半に終了した。

 組合の江間委員長は、公務で到着時刻が午後3時前と遅れたが、組合側の控室でそれまでの経過について組合側補佐人と代理人弁護士から説明を受けて意見交換の後に、午後3時頃からの組合側からの第2回目の意見聴取から和解手続に加わった。

 第1回目の組合側からの意見聴取において、組合側提出の「申立人側の協約案の提出について」の「なお、別紙協約案中、取消線を付した部分(従前の第11条(大学施設等の利用))については、今後、大学と組合が、その大学施設等の利用に関する新たな取り決めをすべく労使交渉を行うことを確認することができるというのであれば協約案からは除外する、という趣旨で記載しているものであります。」との一文について、趣旨がよくわからないとして、委員から説明を求められた。組合側は、この条項については、文言の趣旨等を労使交渉を通じて、今後、協議を進めていく必要があり、この労働協約で規定するのは時期尚早であるから、削除を求めたものであり、組合側として大学施設の利用に関して労使で交渉することを拒むものではないこと、今回のテーマは不当労働行為の救済申立を解決する為の和解としての労働協約であるから、今回の労働協約は、団体交渉に関する労使間の協約に限定して締結すべきものであり、大学施設の利用に関しては、別途、労使交渉を進めるべき問題と考える旨の説明を、委員に対して行った。

 第2回目の組合側からの意見聴取の際に、委員から、紛争解決の和解手続においては、救済申立の内容に制約されることはなく、和解契約に労使で合意されたことを盛り込むことは、和解の法的性質から問題はないこと、大学側は、当該条項の細部の解釈適用、「光熱水料等の実費相当額」の算定方法に関しては今後の労使交渉の対象とすることは認めているものの、組合側に新たな負担を求める以上、労使交渉の出発点となる基本的な合意事項として当該条項をぜひとも今回の労働協約に挿入したいという考えを示していること、また、大学側は、今回、労働協約の締結に応じること自体が大学側の大幅な譲歩であるとの考えを示しているとの説明があった。

 組合側協約案第6条(合意書・議事録)は、法人側の修正案では削除されていた。第1回目の組合側からの意見聴取において、委員から、合意書の内容に関して、例えば、A、B、C、Dの4つの提案が大学側から行われて、組合側はAとBには同意できるが、CとDには反対である場合に、大学側は4つを一括して提案していて個別に提案しているわけではないのに、組合側がAとBについては合意が成立したとして、合意書の作成を求めて大学側が応じなければならなくなるようなことには大学側は容認できないと思われるが、組合側はどのように考えているのかとの質問があった。組合側は、上記のケースでは、合意が成立しているとは言えないとの考えを説明し、合意書はあくまで双方の意思が合致して合意が最終的に成立した場合に作成されるものであり、最終的に労使で交渉が妥結した場合に作成されるものであるとの考えを委員に対して表明した。

 大学側からの第1回目の意見聴取の後の第2回目の組合側からの意見聴取において、委員から、大学側は労使交渉で最終的に合意に至るということ自体に否定的な考えを示しており、合意書の作成を労働協約に盛り込むことを頑なに拒んでいること、合意に至った場合に合意書の作成を拒むことは不当労働行為になるというのが判例であり、この条項を労働協約に盛り込む必要はあるのかという問いかけが組合側にあった。また、合意書の作成の条項の削除と大学施設の利用の条項に関して、大学側の意向に沿った内容になれば、第3条第3項の「大学及び組合は、交渉委員には、団体交渉議題の交渉を円滑に進めるために適切な者を選任できるよう努める。」と第5条第4項の「大学及び組合は、互いに相手方に対し、必要な資料を提供するなどして、相手方の理解に資する説明をするよう努めるものとする。」に関しては、妥協できるとの大学側の意向が伝えられた。

 組合側は確立した判例がある以上、それを確認する条項を労働協約に盛り込むことには何らの問題はなく、また不可欠と考える旨の見解を委員に対して表明した。また、合意書の作成の条項を削除しつつ、他方で大学施設の利用に関して組合側に新たな負担を義務付ける条項を挿入することは、著しくバランスを欠くものであって、組合側としては、到底容認することはできず、いずれの条項も削除するか、いずれの条項も挿入することでしか、和解に応じることはできない旨の見解を委員に対して表明した。また、組合側は第2回目の意見聴取において、大学施設等の利用に関して光熱水料等の負担に関しては、大学側は組合に対して、別途、労使交渉を求めるべき問題であるのに対して、そのような申し入れを大学側は行っていないこと、組合運営の民主性の確保の点から、組合内部で組合員の意見を求めて合意を形成する必要があり、現時点でこの条項を挿入した労働協約の締結には応じられない旨の見解を表明した。なお、第6条第2項の議事録の規定の削除には応じる用意があるとの見解を委員に対して組合側は表明した。

 委員からは、第3回目の組合側からの意見聴取において、労働協約からは、合意書の作成の条項も大学施設の利用の条項もいずれも削除すること、労働協約を含む全体の和解契約の中の条項で、組合側が大学施設の利用に関して光熱水料等を負担することに同意し、今後、細部の労使交渉を行う旨の条項を挿入するということで妥協できるか、組合側に大学施設の利用の条項も含めて持ち帰って組合員の間でその是非を協議していただきたい旨の提案があった。これに対して、組合側は大学施設の利用に関する条項を労働協約から削除しても全体の和解契約の条項に含める以上、法的効果に変わりはなく、その提案には同意できないこと、大学側も合意書の作成の条項を持ち帰って真剣に検討すべきであるとの見解を表明した。これに対して、委員から、大学側に対して合意書の条項を持ち帰って検討することを求めること自体は可能であり、大学側は応じるとは思うが、合意書の条項を削除するとの大学側の方針が変更される見込みはほとんどないと思われるが、それでも是認できるかとの問いかけが組合側にあった。組合側はそれは是認できないこと、大学側にも持ち帰って真剣に検討することを求めるべきであるとの見解を改めて表明した。その後の組合側控室での内部協議において、組合側はこれ以上の譲歩は無理であり、このまま和解手続が不調に終わり、不当労働行為の救済申立ての審査が再開されることもやむを得ないとの結論に至った。

 第3回目の大学側との意見聴取の後に、双方同席の上で、県労委の委員長から、12月中に県労委が具体的な労働協約案を作成して双方に提示するので、双方とも検討していただきたいとの提案があり、組合側・大学側の双方が同意した。12月中に県労委から労働協約案の提案が組合側に届き、2月10日までに双方がそれに対する意見を県労委に提出すること、次回の和解手続の期日は調整が難航したものの、2017年3月1日(水)と決まった。

 なお、終了後に、組合側の佐藤代理人弁護士が、県労委の委員長に対して、県労委が合意書の条項を削除する労働協約案を作成し、かつ、和解確認条項等で大学施設利用に関する条項を入れた場合には、組合側が和解に応じることはない旨、表明した。

 

以上

 

 

 





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