職組情報
2018職組情報No.32【給与規程等の改定に対する再要求について(回答)】
2019.4.24
◆◆◆ 給与規程等の改定に対する再要求について(回答)◆◆◆
3月7日に組合が提出していた再質問書について、本日、回答が届きました。
非常勤職員の10連休に伴う給与の減額問題については、早急に回答するよう再三促して参りましたが、結局、全く配慮しないゼロ回答となっています。(5)をご参照ください。
パート職員のボーナス支給についてこれまでも求めてきましたが、今年は10連休に伴う減額問題も併せて、今後、追及していきます。
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<参考:3月7日組合提出の要求書前文>
1月10日の交渉において提示された「国立大学法人山形大学職員給与規程等の一部改正について(案)」(以下「改正案」)について、1月15日に「給与規程等の改定に対する要求」書にて、以下の要求をさせていただきました。
1.仮に今回の改定を4月1日に施行する場合でも、当組合との交渉妥結に至るまで実施を保留し、4月1日を過ぎた場合は同日に遡って適用とすること。
2.事務・技術職員および医療職員の対国家公務員指数(年齢・地域・学歴勘案)のうち現状で100を下回るものについては、100に近づけること。教育職員と国家公務員との給与水準の比較指標についても同様に近づけること。
3.今回の常勤職員に対する賃金改定と同レベルの賃金改定を、非常勤職員に対しても4月1日に実施すること。
これらの要求に対し、貴職は「国家公務員給与に準じた給与体系を維持することが相当である」「本学の財政状況等から鑑みれば、人事院勧告を上回る給与改定を見込むことも極めて困難」「(非常勤職員の給与については)当該年度内における均衡も勘案し」年度途中からの引き上げは行わない一方、「定時勤務職員の勤勉手当について給与特例一時金の支給を予定」と回答し、1月24日の経営協議会において改定を決定しました。
しかし、労働委員会の命令書で、「(改正前の通則法第63条第3項の規定は)大学が主張するごとく、国家公務員の給与を基準とすることを求めていると解することは困難(27頁)」「少なくとも年商規模400億円の事業会社であれば、組合からの具体的な要求がなくとも、使用者側から進んで相応の財務情報や将来予測資料を提示し、組合の理解を求めるのが通常と思われ、こうした誠実な対応こそが使用者に求められる交渉態度であろう。(30頁)」と述べられている通り、1月21日のような回答ではとうてい誠実交渉とは言えません。
つきましては、改めて、以下を要求します。なお現在上記の命令に対する取消訴訟が提起されていますが、行政事件訴訟法第25条第1項に定めるとおり、この訴訟によって上記命令の効力は妨げられませんので、念の為申し添えます。
☆以下、(1)~(5)の質問を列挙しています。
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<法人回答>
平成31年4月23日
山形大学職員組合執行委員長
仁 科 辰 夫 殿
国立大学法人山形大学長
小 山 清 人
平成31年3月7日付けで再要求のあった標記のことについて,以下のとおり回答します。
(1) 人事院勧告以上の給与改定が困難であるという根拠を、財務データを示してご説明ください。
【回答】
本学の財務状況については、毎年度の財務諸表で公開しているところですが、損益計算書の経常費用の推移からは、人件費の高止まりと教育研究経費の減少、受託研究費・共同研究費等の増加といった傾向が見られます。
平成27年1月の教育研究評議会資料でお示ししたように、運営費交付金の効率化減が進む中で人件費が増加していることから、本学では人件費の計画的な削減が進められていますが、その後も人件費が減少する傾向にはありません。
本学の人件費は、平成27年度に実施された給与制度の総合的見直しによる給与ベースの引き下げや、独自の計画的な人件費削減にもかかわらず、3年間の現給保障や、人事院勧告による上昇などに伴い、人件費は高止まりの状態であり、今後も増加することが予想されます。
また、運営費交付金の配分方法が見直され、機能強化促進という形で使途の特定された予算が増え、使途が特定されない基幹経費は減らされているため、国立大学としての基盤的な経費の確保は益々困難になっております。
一方で、各キャンパスに配分する教育研究経費は何とか従来の配分額を維持してきたところですが、管理経費に相当する部分の予算の配分は削減を余儀なくされております。このため、各部局では教育研究経費の確保に苦慮している状況であり、今後、消費税増税の実施や、電気料等の上昇が続けば、実質的に教育研究経費として使用できる予算が目減りすることは避けられません。
受託研究費や共同研究費等の外部資金は、教育研究経費や一般管理費の減少を補うような形で増加しておりますが、特定の研究のための期間限定の経費であるため、基盤的な教育研究経費に使用できる安定的な財源とはなりません。
こうした状況で人事院勧告以上の給与改定を行えば、大学としての教育研究機能を維持できなくなる恐れがあるため、実施することは極めて困難であると考えているところです。参考まで、平成25年度から平成29年度までの損益計算書における人件費等の推移をまとめたもの(別添1)と平成20年から平成30年までの人事院勧告の推移をまとめたもの(別添2)を資料として添付いたします。
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(2) 「非常勤職員の給与については、各年度の予算を勘案して年度ごとに契約することとしており」との回答でしたが、予算編成には常勤職員の給与も含まれており、一方を引き上げ、もう一方を引き上げない根拠にはなりえません。常勤職員と非常勤職員を差別する法的根拠または財政上の理由があるのであれば、客観的なデータをもとにご説明ください。
【回答】
非常勤職員の給与については、各年度の予算を勘案して年度ごとに契約することとしており、採用時の合意に基づき日給又は時間給を決定しているため、当該年度内における均衡も勘案し、引き上げる場合も引き下げる場合も、新年度からの措置としているところです。
各部局では様々な予算により非常勤職員を雇用しているところですが、年度内に雇用条件が変更されると、各部局の教育研究経費の削減なくして当該予算を確保することが困難になる場合も想定されるところです。このため、年度内は採用時の条件のままとしているところです。
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(3) 非常勤職員の給与について、国は、「一般職の職員の給与に関する法律第22条第2項の非常勤職員に対する給与について(平成20年8月26日給実甲第1064号)(人事院事務総長発)最終改正:平成29年7月12日給実甲第1227号」 で、以下のことを求めています。
http://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/09_kyuyo/0904000_kyuujitsukou1064.htm
一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)第22条第2項の非常勤職員に対する給与の支給について、下記のとおり指針を定めたので、これを踏まえて給与の適正な支給に努めてください。
なお、これに伴い、給実甲第83号(非常勤職員に対する6月及び12月における給与の取扱いについて)は廃止します。
記
1 基本となる給与を、当該非常勤職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号俸の俸給月額を基礎として、職務内容及び職務経験等並びに在勤する地域の要素を考慮して決定すること。
2 通勤手当に相当する給与を支給すること。
3 任期が相当長期にわたる非常勤職員に対しては、期末手当及び勤勉手当に相当する給与を、勤務期間、勤務実績等を考慮の上支給するよう努めること。
4 各庁の長は、非常勤職員の給与に関し、前3項の規定の趣旨に沿った規程を整備すること。
また、2020年4月施行の「パートタイム・有期雇用労働法」では、事業主には以下のことが求められてきます。
1.同じ企業で働く正社員と短時間労働者・有期雇用労働者との間で、基本給や賞与、手当などあらゆる待遇について、不合理な差を設けることが禁止されます。
2.事業主は、短時間労働者・有期雇用労働者から、正社員との待遇の違いやその理由などについて説明を求められた場合は、説明をしなければなりません
農学部や工学部には、実態は常勤と変わらない形で、長年にわたって継続勤務されている方が多数います。また、その仕事の責任においても、常勤の担当職員以上のものを負って日々奮闘いただいている方々も多くいます。しかし、時給換算で考えたとき、常勤の方が、年間2000時間程度、時給3000円~5000円水準をもらっている一方で、非常勤の方々、特に短時間勤務の方々は、学歴や前歴が勘案されない時給800円台の低賃金であり、期末勤勉手当も退職手当も支給されません。
つきましては、現場の実態および上記の要請や法改正を考慮し、非常勤職員就業規則の今後の改正について、どのようにお考えかご説明ください。
【回答】
非常勤職員の業務や処遇については見直しが必要と考えており、今後、現場の実態等を踏まえ検討を進めたいと考えているところです。
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(4) 有期雇用職員の無期転換について、就業規則には、雇用財源により雇止めになる可能性が残されています。また、クーリングによるリセットは無期転換権の潜脱行為であり不安定雇用の解消を求める改正労契法の趣旨を逸脱するものとして、これまでも抗議してきました。
組合は、部局の予算事情により人員を削減する場合でも、他の部局で募集が行われていれば、異動により雇止めを回避する努力を求めていますが、その努力を行わない理由を法的根拠を示してご説明ください。
【回答】
有期雇用職員の雇用については、その必要性に応じて各部局が採用計画を立て、その条件に合う人を選考しているところです。雇用期間満了により退職する職員が、これらの採用条件に合致するかどうかは、各部局で判断することになりますので、その募集要項にしたがって応募いただくことになります。
このため、こうした採用計画は、ハローワークやHP等で公表することとしているところです
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(5) 2019年の天皇即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日が休日となることについて、非常勤職員の給与が減収とならないよう配慮してください。
厚生労働省は『本年4月27日から5月6日までの10連休に関してよくある御質問について』のなかで、「天皇の即位に際し、国民こぞって祝意を表するという即位日等休日法の趣旨や、国民の祝日の趣旨等にかんがみ、労使間の話し合いによって、国民の祝日・休日に労働者を休ませ、その場合に賃金の減収を生じないようにすることが望ましいことはいうまでもありません」と回答していることから も適切な配慮をお願いします。
【回答】
天皇の即位の日等に関する休日については、「国民の祝日に関する法律」に規定する国民の祝日となるため、本学においても就業関係規則で所定休日としているところです。なお、定時勤務職員及び短時間勤務職員の給与については、就業規則により勤務実績に基づく翌月払いとしているものであり、当該休日に勤務を要することとされる職員との均衡も勘案すると、特別手当といった対応も難しいと考えているところです。
以上
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